今年も半分が過ぎたこの時期、私の地域オーケストラでは定期演奏会を開いて中締めとなった。
プログラムの前半がウィンナ・ワルツで、後半はブラームスだったけどアンコールにはラデツキー行進曲をやって、年越しみたいな内容の演奏会だった。集客は1,295人。アマオケではなかなか見ない多さで、みんなが好きな曲をやったという実感のある、良い本番になった。
ただ、いわゆる通俗名曲かもしれないが、今回は演奏するのが正直かなり難しかった。上手くいったから文句はないんだけど、個人的にも団体的にも課題と感じることがあった。忘れちゃうと勿体ないからここに書いとこうと思う。
今回のプログラムは前半はヨハン・シュトラウスの
- 喜歌劇「こうもり」序曲
- トリッチトラッチ・ポルカ
- 「南国の薔薇」
- 「雷鳴と電光」
- 皇帝円舞曲
メインプログラムは
- ブラームス/交響曲第2番
アンコールにラデツキー行進曲、っていうウィーンプログラム。どの曲もなんとなく知っていて親しみやすい作品と言えるだろう。
指揮者はウィーンで経験を積んだ経歴があって、愛着もひとしお、といったところ。話の上手な方で、リハーサルもお話を交えて分かりやすく、となるはずだったが、なかなかことは上手く運ばなかった。
まず、リズムに関して、ウィンナワルツでは独特の揺らし方をやることは多いと思うんだけど、これがなかなか浸透しなかった。アマチュアオーケストラゆえ欠員があったり、言われたことが次に出てくると元に戻っていたり。しかも譜面自体に欠損があったりするものだから、リハーサルは困難を極めた。指揮者は丁寧に我慢強く練習を重ねてくれたが、結果として曲の後半部分まで練習時間内に収まらず、オーケストラが通すことができない…といった状態がしばらく続いた。
比較的テンポとリズムに動きが少ないポルカ2曲は後回しにしていたため、ワルツに時間を割いたものの終わらず、ポルカの方もやってみたら色々出てくるもので、時間はそれなりにかかる。全体として、前半に時間を割き過ぎたシーズンになってしまったことは否めないだろう。最終的に指揮者も演奏を通して練習する方向に舵を切ってくれたため、通すことが練習できたものの、少し妥協の面があったとは思う。
ブラームスの方は前半の曲と比較して重厚なサウンド作りに取り組んで、良い雰囲気になったが、前半でも同じように重厚に演奏してしまう傾向が生まれて悩まされた。まあ、こちらが打楽器で、パートの入れ替えがあるために言えることなのかもしれないが、オーケストラには柔軟性が少し足りなかったように感じる。
強弱についてはかなり言われて、pが出てくる度に大きいとか、そもそも書いてあることを蔑ろにしてしまっていて、リハーサルでの言葉が増えてしまい、言われた方はムッとしてしまう…という場面もあった。私もあったし、冷静でなかったなと思うが、そういう空気作っちゃう準備不足の面は全体として考えた方がいいように考えている。
打楽器パート自身にも反省があった。まず、前半に少し欠席が多くなってしまい、全部出た私が色々代奏して、少し注意を受けたりして、演奏がそれで進んでいってしまった。そうすると、本来の人が演奏した時に同じ話になる訳で、指揮者としても違和感だろうし、ストレスがあったと思う。このことに関しては金曜日の合奏が多かった事情も関係しているのだが、始めはなるべく参加するなどの努力はしてもよかった。
手薄になっていたポルカについて、譜面が違ったり、持ち替えをする部分で最終的な形が直前まで決まらない…といったことも起きた。結局スネア2台を使うことになったのだが、スネアスタンドを積み込み忘れ、当日個人所有のものを持って行くというハプニングもあったり。事故は事故で起こりうることだし、対処できたと思っているが、改善できる余地は大いにあったと考えている。
すごい勢いで文句を書いているが、課題多く、実りも大きかった演奏会だったと感じているので、敢えて書いている。約1,300人の集客はアマチュアではまず考えられないし、その人数と楽しい時間を共有できたことは大きな成果だし、上に挙げた課題も取り組む必要があったということになるだろう。
次は同オーケストラでマーラーの9番に挑戦する。苦労を糧にして成功させたいものだ。