ぽんぽこ日記

演奏会とか打楽器のことなどを書いてます

練習ペースの再構築 2023年4月

世間では4月に入って年度が新しくなったそうで、色々なことがせわしなく動き始めている印象がある。私の勤める会社は12月決算だから、実感は乏しいものの、何人か新卒採用があって少し新しい気分がやってきた。

オーケストラ活動の方にもいちおう年度があり、会計が締まり、次の定期への練習が始まった。

次の定期では

  • ブラームスの交響曲第2番
  • ヨハン・シュトラウス2世のワルツ、ポルカ集

を取り上げる。私はブラームスでティンパニを任せてもらう。曲は何度か経験があるが、このオケでシンフォニーのティンパニは初めてする。とても楽しみだ。

初めてといえば、今回指揮者も初めての方で、人選はオケの音楽監督(特に何か無ければ振る人)選びも兼ねているから長い付き合いをする可能性がある方だ。数回の合奏を経て、「なんだか合ってそう」という良い感触を得たが、目に見える変化として、金曜日の合奏が増えることになった。

これまで基本的に合奏は土曜日、金曜日はセクション練習かたまに合奏、という流れで練習してきたのだが、スケジュールの関係で合奏が金曜日になることが多くなってきた。

私に関しては今のところ有給も余っていて、仕事の調整もなんとかなり、欠席はしないで済んでいる。全体にも欠席が増えず、人が大体揃った合奏ができているから、差し当たって問題はないだろう。ただ、土曜日の合奏だと休養を経てウォーミングアップをして臨めばいいものが金曜日になった時に、最も仕事の疲れが溜まっていて演奏から離れた状態で臨むことになった。これは内容が変化したと言ってもいいと思う。

この変化が常になるということは、単純にパフォーマンスを落とすことにつながる。だから対策を考えてみた。

超回復理論とフィットネス・疲労理論

例えばこんな考え方がある。

athletebody.jp

練習するにアスリートの考え方を参考にすることは多い。彼らは練習の成否に勝ち負けや賞金がかかっていて、結果は客観的事実として数字に表される。それはある意味で「信用できる」ということになる。

身体的な要素が全てではない音楽の練習においても、脳や疲労に関する部分は同じように考えられる部分があってもいいはず。そしてやってみると納得することがほとんどだ。

超回復理論を基に考えると、追い込んだ練習→休養のサイクルを繰り返すことで、能力全体を上げていくことになる。10を使い切って0にし、休養後には11できるようになっている。分かりやすい。

ここに疲労というファクターを入れると、0が11に戻る間にはパフォーマンスは低下していることになる。これが、能力が高まって100できるようになった場合、0にしたものを101に戻すのに時間がかかってしまい、おそらく101にはならないだろう。能力が高まって大きく上がらない状態を高原状態というのだそうだ。高原状態では疲労によってパフォーマンスが下がった状態を長く過ごすことで、能力が下がってしまう懸念がある。

そこでフィットネス・疲労理論を活用した場合、まず練習で100を使い切ることはしないで、例えば50を残しておいて、回復しながら次の日も練習をする。おそらく、平均して80のパフォーマンスを発揮できる状態を作り、能力全体を110に上げていく…こういったイメージだ。

 

分かりにくいので楽器の練習に置き換えると、こんなスケジュールになる。

超回復理論

  • 月曜日→休養
  • 火曜日→休養
  • 水曜日→休養
  • 木曜日→休養
  • 金曜日→ウォーミングアップ、合奏
  • 土曜日→個人練習(きつめ)
  • 日曜日→個人練習(できるだけ)

フィットネス・疲労理論

  • 月曜日→個人練習(ちょっとだけ)
  • 火曜日→個人練習(ちょっとだけ)
  • 水曜日→個人練習(ちょっとだけ)
  • 木曜日→個人練習(ちょっとだけ)
  • 金曜日→ウォーミングアップ、合奏
  • 土曜日→個人練習(軽め)
  • 日曜日→個人練習(軽め)

このようにして、全体の時間をコントロールして合奏時にピークが来るようにする。これを試しに取り組んでみた。

やってみて感じたこと。

平日はとにかく疲れても時間が無くても、少しでいいからバチを振る。これがけっこうきつい。目標とする期日も遠いのでサボりそうになる。とは言っても、「とにかく練習を多くする」が目標では無いため、疲れ切ってうんざりしてしまわないように注意深くする。

休日に関しては少し軽めに練習する。もっとも、平日に練習しておくと身体が動き始めるのが早くなり、そんなに多くの時間を割かなくてよさそうな感じであった。

合奏では調子が良くなったと思う。仕事疲れは変わらないものの、演奏において身体がちゃんと動く。「忘れてない」っていう感じだ。少なくとも、平日にアップし続けてきた状態にはなってる。

概ね良い効果が得られているのだが、これはどちらの理論が良いとかではなく、やはりどこかで100の力を発揮しておくことは必要なんだろうと思う。軽い練習しかできない、という風にならないよう注意したい。

 

なにより、金曜日にピークを持ってくると、土日がヒマになってしまう。これには閉口するが、ここで追い込んでしまうと平日が持たなくなる。結局、何かを上達するには生活を充実させるのが一番なのかもしれない。