ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団 歌劇「サロメ」(演奏会形式)を聴いてきた

「サロメ」は初めて観たオペラで、私にとって愛着のある作品だ。その時は初任給を使って松本まで行って、サイトウキネンオーケストラの演奏を聴いてきた。というか、ライナー・ゼーガースを見たいから行ったようなものだ。演奏会形式ではなく舞台装置を使う通常の上演だった。

アークヒルズはイルミネーションの時期

そんなこともあって今回の演奏会形式は気になっていたのだが、直前まで自分の動きが読めず、行けるか分からない状態が続いた。当日になって行けることが分かってチケットを購入という、愛着があるんだか無いんだか分からない感じになってしまった。まあ、行けてよかった。

(2022/11/20)
ジョナサン・ノット 東京交響楽団
サントリーホール

歌劇「サロメ」/リヒャルト・シュトラウス(演奏会形式)

tokyosymphony.jp

演奏会形式での上演はノットの発案だと聞いている。「サロメ」といえば、代名詞となるほど有名なのは生首のシーンで、それだけでも話題になってしまうような演出なんだけど、今回は音楽に重きを置いた演奏会形式だという。

演奏会形式にしたことで起きたこととして、ナラボートの憤死など音楽とリンクしない演出は一部分かりづらいものになった。また、衣装は通常のスーツを着用したため、役の性格、例えばヘロデ王の強欲さとか、ヨカナーンの汚らしさといった見た目の部分は想像に任されることとなった。

そのようなことは織り込み済みで演奏会形式を選択したのだろう。ピットに入らないことによって作品の複雑なスコアが充分に音楽で表現され、課題というには些末なことに映った。また、「踊り」の場面は舞台にオーケストラだけの状況にしたり、生首には明らかにそれと分かり、かつ直截的ではない表現を採用するなど、かえって良かったと思える箇所もあった。分かりやすい場面は俗的に過ぎると安っぽくなってしまうことがある。その点今回は音楽に集中できるような配慮が行き届いていた。

なにしろ、演奏が凄かった。ノットが振る東響の演奏会はいつも新鮮な驚きを与えてくれる。客席も大盛り上がり、まだ聴いたことがない方には一度経験してほしいコンビだ。

写真を撮ってもいいことになった

5月には「エレクトラ」を上演するらしい。私は「エレクトラ」を知らないが、予定が折り合えば是非観に行きたい。